日本では古くから健康やリラクゼーションの目的で「温泉」が利用されてきました。そのため「温泉」という言葉を知らない方は少ないと思います。
ですが、「温泉」ってなんですか?と言われたら皆さんは何と想像しますか。
温泉のイメージは・・・
- 体に良い効能のある温かいお風呂
- 旅館にある大浴場や露天風呂
- 硫黄のにおいがするお風呂
イメージはどれも正しいのですが、実は「温泉」には明確な定義・基準があることをご存じでしたでしょうか。
聞いたことはあるけど明確にはわからない方、なんとなく「温泉」って言ってたなという方も、これから一緒に「温泉」について正しい知識を持つことで、さらに「温泉」に興味が沸き、入るのが楽しくなるはずです!
目次
温泉の定義って何?
日本では、環境省により温泉法という法律によって「温泉」の定義がされています。
それでは、温泉法に記載されている温泉の定義を見てみましょう!
この法律で「温泉」とは、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、「別表」に掲げる温度または物質を有するものをいう。
温泉法 第二条より抜粋
※「別表」に掲げている条件
1.「温度(温泉源から採取されるときの温度とする。)」が摂氏25℃以上であること。
または
2.「溶存物質の総量1000mg/kg以上」「遊離炭酸250mg/kg以上」「リチウムイオン1㎎/kg以上」「ストロンチウムイオン10㎎/kg以上」(他)など19の特定成分のうち1つ以上が規定値に達しているもの。
※出典:環境省HP(https://www.env.go.jp/nature/onsen/point/)
つまり、源泉の温度が25℃以上か、25℃より冷たくても19の特定成分の条件のうち1つでも規定値に達していれば、「温泉」と成り得ることができます。
冷たくても温泉、成分がなくても温泉なんて意外ですよね!
適応症(効能)が認められる療養泉とは?
温泉の定義がわかったところで、温泉の成分や泉質、特徴ってどんなものがあるか気になりますよね!
その前に温泉には「療養泉」と「療養泉ではないもの」の2種類があることを理解しておく必要があります。
●「療養泉」・・・泉質名がつき、適応症(効能)が認められる(例:硫黄泉など)
●「療養泉ではないもの」・・・泉質名がつかないので適応症(効能)は認められない(ただの温泉)
※ 適応症とは、温泉療養を行うことによって効果をあらわす症状(効能)のことです。
「療養泉」になるための条件は以下の通りで、温泉の条件より厳しいです。
※別表に掲げられている条件
※出典:環境省HP(https://www.env.go.jp/nature/onsen/point/)
1.「温度(温泉源から採取されるときの温度とする。)」が25℃以上であること。
または
2.「溶存物質の総量1000mg/kg以上」「遊離二酸化炭素1000㎎/kg以上」「総鉄イオン20mg以上/kg」(他)など7つの特定成分のうち1つ以上が規定値に達しているもの。
例えば、硫黄が温泉1kg中に1mg以上あれば「温泉」ですが、それだけでは源泉名はつかず、2mg以上含まれていれば「療養泉」と認められ「硫黄泉」と名乗ることができるのです。
反対に、リチウムイオンが温泉1kgにどれだけ入っていても、「療養泉」とは認められずただの温泉となります。
「療養泉」となる温泉にはさまざまな成分が含まれており、その成分によって効能や特徴が異なります。
以下は代表的な成分とその効果になりますが、詳しくは長くなるので別の記事でまとめます。
- 炭酸水素塩泉:肌を滑らかにし、血行を促進する。
- 硫黄泉:抗菌作用があり、皮膚病や関節痛に効果がある。
- 塩化物泉:体を温め、保温効果がある。
- 硫酸塩泉:血行促進、傷の治癒促進。
- 二酸化炭素泉:血行を促進し、心臓に良い影響を与える。
など
● 「温泉」とは、源泉から採取された温度が25℃以上または、含有成分が19つの特定成分のうち1つ以上が規定値に達しているものを指す。
● 温泉には2種類あり、「療養泉」=適応症(効能)が認められる温泉と「療養泉ではないもの」適応症(効能)が認められない温泉がある。
● 「療養泉」とは、源泉から採取された温度が25℃以上または、含有成分が7つの特定成分のうち1つ以上が規定値に達しているものを指す。
最後までお読みいただきありがとうございました!